PowerAutomateを使用して、定期的に開催している会議の検討議題を事前共有し、会議の生産性をアップする方法をご紹介します。
検討議題を事前に共有することで、参加者に話し合う目的を明確化することができ、会議時間の短縮にもつながります。また、検討議題がない場合は会議中止メールをお送りすることも可能です。
フロー全体の流れ
フローを作成する前に全体の流れをご説明します。
定期的な会議を毎週月曜日に行っていると仮定し、進めていきます。
- RPAのフローを毎週火曜日に稼働するようスケジュールを設定します。
- 検討議題がある場合、木曜日までにExcelで管理している会議の議事録へ検討議題を入力してもらうよう、参加者にメールを送ります。
- 金曜日になるまで遅延し、検討議題が入力されているか Excelで管理している会議の議事録を確認します。
- 検討議題の入力がある場合は、会議の開催メールを送信/入力がない場合は、会議の中止メールを送信します。
会議議事録(Excelファイル)のサンプル
会議議事録(Excelファイル)のサンプルになります。テーブルにしておく必要があります。
列 | タイトル | 内容 |
---|---|---|
A | 日付 | 会議開催日の日付を入力します。 |
B | 議題内容 | 検討議題を参加者に入力してもらうまたは会議内での決定事項等を入力します。 |
C | ステータス | 進捗を入力します。(今回のフローには特に関係ありません) |
D | 開催有無 | B列の議題内容に記入がない場合「×」、記入がある場合「〇」が入力されるよう式を入力しています。 |
新しいフローを作成
自動化したフロー作成
「Power Automate」を開き、「マイフロー」をクリックします。
「新しいフロー」から「スケジュール済みクラウド フロー」をクリックします。
フロー名入力
フロー名を任意で入力します。スケジュールの設定は後ほど行いますので、フロー名の入力が完了したら「作成」をクリックします。
「スケジュール(Recurrence)」の設定
「スケジュール(Recurrence)」をクリックして表示される、「詳細オプションを表示する」をクリックします。
スケジュールを設定していきます。今回は、会議を毎週月曜日と仮定しますので、フローを毎週火曜日9時に稼働するよう設定します。設定方法は下記のとおりです。
間隔 | 1 |
---|---|
頻度 | 週 |
タイムゾーン | (UTC09:00)大阪、札幌、東京 |
開始時刻 | いつからこのフローを開始するかを入力します。そのままでも問題ありません。 |
設定曜日 | 火曜日 |
設定時刻(時間) | 9 |
設定時刻(分) | 0 |
「スケジュール(Recurrence)」の設定が完了したので、「詳細オプションを表示しない」をクリックして縮小します。
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「未来の時間の取得」を設定
「新しいステップ」をクリックして、Excelの「日付」列やメールに記載するため、次週月曜日の日付を取得するアクションを追加していきます。
検索欄に「未来の時間の取得」と入力して表示されたアクションをクリックし、追加します。
次週の月曜日の日付を取得したいので、下記の通り変更します。
間隔 | 6 |
---|---|
時間単位 | 日 |
「変数を初期化する」の設定
「未来の時間の取得」で取得した月曜日の日付をExcelの「日付」列やメールに入力するため、フォーマット(表示形式)を「yyyy/MM/dd」の形式に変更します。
「新しいステップ」から「変数を初期化する」を追加して設定していきます。
日付のフォーマットに関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
設定方法は下記のとおりです。
名前 | 月曜日の日付 |
---|---|
種類 | 文字列 |
値 | 下記の式をファイルボタンをおしてコピーし、「動的なコンテンツ」の式の欄に貼り付けて 「OK」をクリック |
「表に行を追加」の設定
「変数を初期化する」で設定した月曜日の日付を会議議事録(Excelファイル)に行を追加して書き込みするため、「Excel online(BusinessまたはOne Drive)表に行を追加」を「新しいステップ」から追加します。
設定は下記のとおりです。
場所 | Excelファイルの保存先場所 |
---|---|
ドキュメント ライブラリ | 該当を選択(通常はドキュメントを選択) |
ファイル | 該当ファイルを選択 |
テーブル | 該当テーブルを選択 |
日付 | 「動的なコンテンツ」から先ほど設定した「月曜日の日付」を選択 |
ここまでで保存し、テストしてみると下記のように行が追加され、次週の月曜日の日付がA列に書き込みされました。また、式を入力しているD列にも「×」と表示されています。
「メールの送信」の設定
続いて会議参加者に検討議題がある場合、会議議事録(Excelファイル)に記入してもらうよう、メールを送信します。会議議事録のリンクをメールに挿入しておくと、すぐにファイルを開くことができるためおすすめです。
「遅延(待ち時間)」の設定
会議議事録(Excelファイル)に検討議題の記入依頼メールを送信したので、金曜日になるまでフローを一時中断します。
「新しいステップ」から「遅延」を選択し、3日遅延するように設定します。
「表内に存在する行を一覧表示」
会議議事録(Excelファイル)に検討議題の記入がされているか確認するため、「新しいステップ」から「Excel online(BusinessまたはOne Drive)表内に存在する行を一覧表示」を追加します。
設定は下記のとおりです。
場所 | Excelファイルの保存先場所 |
---|---|
ドキュメント ライブラリ | 該当を選択(通常はドキュメントを選択) |
ファイル | 該当ファイルを選択 |
テーブル | 該当テーブルを選択 |
「詳細オプションを表示する」をクリックして表示される「Date Time形式」を「ISO 8601」を選択してください。
「ISO 8601」を選択することで、日付をシリアル値(数値)ではなく、「yyyy/MM/ddT00:00:00.000Z」形式として、読み取ることができます。
「変数を初期化する」の設定
少し前に設定したときと同様に「変数を初期化する」を追加し、取得した月曜日の時刻のフォーマット(表示形式)を変更します。今回は「Excel online 表内に存在する行を一覧表示」で取得した「日付」列の表記「yyyy/MM/ddT00:00:00.000Z」と揃えることで、次週の月曜日の日付が入力されている行を後続の処理で判断します。
名前 | 月曜日の時刻 |
---|---|
種類 | 文字列 |
値 | 下記の式をファイルボタンをおしてコピーし、「動的なコンテンツ」の式の欄に貼り付けて 「OK」をクリック |
条件
会議議事録の「B列 議題内容」に検討議題の記入があるかないかの判断をします。
設定する条件としては下記のとおりです。
- 「A列 日付」が次週 月曜日の時刻と同じ行を判断
- 「B列 議題内容」に記入がある場合、「D列 開催有無」が「〇」になるため、「〇」であるか判断
検討議題がある場合
会議開催メールを送信
検討議題がない場合
会議中止メールを送信/会議中止のため、次週 月曜日の日付が入力されている行を削除
「A列 日付」が次週 月曜日の時刻と同じ行を判断
「新しいステップ」から「条件」をクリックします。「yyyy/MM/ddT00:00:00.000Z」で時刻が等しい場合「はい」、等しくない場合「いいえ」になるよう設定します。
左側の値
「日付」(「動的なコンテンツ」⇒「表内に存在する行を一覧表示」)
右側の値
「月曜日の時刻」(「動的なコンテンツ」⇒「変数」)
「B列 議題内容」に記入があるか判断
上記で「はい」になった場合、「B列 議題内容」に記入があるかどうかを「D列 開催有無」で判断します。
記入がある場合「D列 開催有無」が「〇」になるため、左側の値の選択には「開催有無」(「動的なコンテンツ」⇒「表内に存在する行を一覧表示」)、右側の値の選択には「〇」を入力します。
はい の場合
「はい」になった場合、「B列 議題内容」に記入があるということなので、「メールの送信」で会議開催メールを会議参加者に送るよう設定します。
いいえ の場合
「いいえ」になった場合は、「B列 議題内容」に記入がないということなので、「メールの送信」で会議中止メールを会議参加者に送るよう設定します。
また会議中止のため、次週 月曜日の日付が入力されている行を削除します。「新しいステップ」から「Excel online 行の削除」を選択し、設定します。
Excel online 行の削除
場所 | Excelファイルの保存先場所 |
---|---|
ドキュメント ライブラリ | 該当を選択(通常はドキュメントを選択) |
ファイル | 該当ファイルを選択 |
テーブル | 該当テーブルを選択 |
キー列 | 「開催有無」を選択 |
キー値 | 「×」を入力 |
保存・テスト
完了したら、「保存」をクリックします。
実際にテストし、正常に稼働するかを確認してください。
正常に稼働したらフロー作成完了です!
まとめ
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