今回は、ChatGPTの有料版を使って、自分だけのオリジナルボットを作成できる「GPTs(GPT Builder)」についてご紹介します。
この新機能により、あなたのビジネスや趣味に特化したボットを簡単に作成でき、日常業務の効率化や新たなコンテンツの創出が可能になります。
GPTsの具体的な活用方法と実例を分かりやすく紹介していきます。
GPTs(GPT Builder)とは
「GPTs(GPT Builder)とは、OpenAIが開発した革新的な機能で、誰もが簡単にカスタマイズされたChatGPTを作成できるツールです。この機能は2023年11月6日の「OpenAI DevDay 2023」で発表され、大きな注目を集めました。
GPTsの便利な点は次のとおりです。
- プログラミング不要
専門的な知識がなくても、誰でも自分のアイデアを活かしたボットを作成できます。 - 時間節約
繰り返しのプロンプト入力の手間が省けます。 - 公開範囲の選択
個人使用から公開まで、用途に合わせて設定可能です(有料アカウント間での共有)。
普段のChatGPTとの違い
普段のChatGPTと比べて、GPTsを使うと大きな変化があります。
従来のChatGPTでは、希望する回答を得るために毎回プロンプトを入力する必要がありましたが、GPTsではこれらを保存して再利用可能です。
これにより、同じ質問や指示を繰り返す手間が省け、効率化が実現します。さらに、ファイルを毎回送信する必要がなくなるため、作業がよりスムーズになります。
また、通常のChatGPTでは1セッションあたり3時間で40メッセージの制限がありますが、GPTsのプレビュー機能を使用する場合、この制限は適用されません。
ただし、40メッセージを超えると、応答速度が遅くなることがあります。
GPTsの使い方
まずはGPTsの使い方について解説します。
GPTsを利用するにはChatGPTの画面から「探索する」もしくは左下の自分のアイコンから「私のGPTs」をクリックします。
MyGPTs画面に移動したら、「Create a GPT」を選択して、新しいGPTsの作成を始めます。
初めての方は、ここに何も表示されない状態になります。
作成のオプションを「Create」と「Configure」から選択できます。「Create」では会話をしながら作成しますが、「Configure」から直接設定した方が早いのでこちらをおすすめします。
編集項目
以下は「Configure」の設定項目です。
主に赤文字の部分でボットの応答が変わりますので、編集したいときはこの部分を変えていってみてください。
- Icon:アイコン画像の作成
自分で画像を入れるもしくはAIが自動で生成してくれます。 - Name:カスタムGPTsの名前
好きな名前を付けてください - Description:GPTsの概要を説明
このGPTsの簡単な説明を記載 - Instructions:役割・行動を記載
GPTsの役割や、どういう行動をしてほしいかを記載する - Conversation starters:質問例を記載
チャットを始める時にこのボットに質問する例を書いておけます。 - Knowledge:資料や参考文献などを学習させる
資料や参考文献などをGPTsに共有することができます。PDFやCSVなどのファイルをアップロードすることで、GPTがその情報を学習します。 - Capabilities:ChatGPTの機能を選択
【Web Browsing】【DALL·E 3】【Code Interpreter(analysis)】の中からこのボットで使わせたい機能にチェックを入れる - Actions:外部のAPIと連携させる
メール文章の改良ボットの作り方
今回は、簡単に作成できるメール文章の改良ボットの作成方法をご紹介します。
ボットの基本情報を以下のように設定してください。それ以外の項目はデフォルトのままです。
Name | メール文章作成 |
Description | メール文章を作成するボットです。メールに入れたい内容を入力してください。 |
Instructions | このサイトを参考に送られてきた内容を元にメール文章を作成してください。 このサイトは同じドメインの下層ページまで読み込んでください。 https://business-mail.jp/ |
Capabilities | 「Web Browsing」にチェック |
「Instructions」には、「入力された内容を元にメール文章を作成してください」という基本的な指示を入れることができます。
しかし、この基本的な指示だけでは、時には慣れない表現が出力されることがあります。
そこで、より具体的な指示として、参考にしたいメールのスタイルが掲載されているウェブサイトのURLを入力することをお勧めします。
例えば、ビジネスメールの書き方を学べる「ビジネスメールの教科書」のURLを使用することで、そのサイトのスタイルに沿ったメール文が生成されるようになります。
入力が完了したら、右のプレビュー画面からこのボットを試すことができます。
出力例
試しに以下の文章をメールを作ってもらうとこんなメールが作成できました。
依頼文:
新年のご挨拶と去年依頼していた広告バナーデザイン制作の件についてのメールを作成して
GPTs:
件名: 新年のご挨拶と広告バナーデザイン制作について
株式会社○○○○
○○ 様
新年明けましておめでとうございます。
株式会社△△△△の〇〇〇〇です。
昨年は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
本年も引き続きのご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
さて、昨年末にお願いいたしました広告バナーのデザイン制作につきまして、進捗状況や今後のスケジュールについてお伺いしたいと思います。ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、現時点での状況をご教示いただければ幸いです。
また、何かご不明な点やご要望がございましたら、お気軽にお知らせください。
本年もよろしくお願いいたします。
敬具
このように、ボットは指定されたスタイルに従って適切なメール文を生成します。実際の使用時には、右側のプレビュー画面でさまざまなパターンを試してみることをおすすめします。
保存と共有
ボットの設定が完了したら、「保存」ボタン(※中国語表示されることがあります)をクリックして保存します。
公開設定では「私だけ」または「リンクを持つ人のみ」と選択することができ、後者を選ぶと保存後に表示されるリンクを通じて他人もこのボットを使用できるようになります。
この記事で作成したボットのURLは以下の通りです。
このリンクをクリックすると、あなたのChatGPTにボットが追加されます。
https://chat.openai.com/g/g-8RzvbVtei-meruwen-zhang-zuo-cheng
生成AIアンケート
普段よく使っている生成AIがあれば、以下のボタンから選んで送信してください!
このアンケートを送信いただくと、下のグラフが更新され、どの生成AIを皆さんよく使用しているか確認することがことができます。
※反映までには少し時間がかかることがあります。
まとめ
今回は、ChatGPTの新機能であるGPTsについてご紹介しました。これまでのChatGPTの使用方法では、毎回プロンプトを書いてボットを指示する必要がありましたが、GPTsを使うことでよく使うプロンプトを効率的に活用できるようになります。
今回の例では、メール文章の作成に焦点を当てましたが、例えば「knowledge」項目にPDFの仕様書を読み込ませて、その情報を基に回答させるような応用も可能です。
GPTsの使い方を理解し、活用することで、あなたの日常業務やクリエイティブな作業が大きく効率化されます。この記事を参考に、あなた自身のカスタムGPTを作成しその便利さを実感してみてください。
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